私は、組織横断の業務改革を進める側として関わった経験があります。
実際にやってみて感じたのは、組織横断の業務改革は、単に関係者を集めて「みんなで考える」だけでは、なかなか前に進まないということです。
私自身、組織横断の業務改革には、改革を専任で担い、全体を見ながら前に進める役割が必要なのではないかと考えています。
なぜそう考えるようになったのか、これまでの経験を振り返ってみます。
① 組織内でのトライアルは、うまくいった
以前、ある業務の進め方を変えるトライアルを経験しました。
「この方法でやってみたい」と思ったときに、自分の判断で関係者と調整し、まず試してみる。
関係者が限られていたこともあり、意思決定から実行までを比較的スピーディーに進めることができました。
この経験から、私は、
「業務改革は、まず小さく試して、うまくいけば広げていけばいい」
と考えていました。
実際に組織内でうまくいった改革だったからこそ、次は他の組織にも広げていけばいいと思ったのです。
② 組織横断の改革に取り組んで、分かったこと
そこで、組織内でうまくいった考え方を、他の組織にも広げる組織横断の改革に取り組みました。
実際に進めてみると、自分の組織だけで完結していたときには意識しなかった、システムに関わる人や、情報管理に関わる人などとも調整する必要が出てきました。
さらに、組織ごとに業務のやり方や事情も違います。
それぞれの考えを聞きながら、一つの方向にまとめていく必要があります。
会議や調整も増え、改革そのものにかかる負荷が大きくなっていきました。
そうした経験を通じて、私は「組織横断の改革は、組織内の改革とは難しさが違う」と感じるようになりました。
③ 改革を兼任で進めて、感じた難しさ
組織横断の改革に取り組んだ際、当初は改革と普段担当している仕事を並行していました。
改革では、自分の専門領域だけを見ていればいいわけではありません。
前後の工程や複数の部署まで見ながら、全体としてどう変えるのかを考える必要があります。
一方、普段担当している仕事では、比較的狭い領域に集中して取り組むことができます。
私自身、このときは普段の仕事に集中したいときでも改革のことを考えなければならず、目の前の仕事に集中できなくなっていました。
しばらくそうした状態が続き、かなり負荷を感じました。
この経験から、組織横断の改革を普段の仕事と兼任しながら進めることには、難しさがあると感じました。
④ 改革を専業で進めて、改めて感じたこと
その後、改革を専業で担当した時期もありました。
専業で担当したことで、改革そのものに集中できるようになりました。
それでも、実際に組織横断の改革を進めてみると、やるべきことは少なくありません。
各組織の現状を整理し、組織横断で目指す姿を考えます。いわゆる As-Is(現状)と To-Be(目指す姿)の整理です。
その上で、各組織の知識や経験、システムなどの将来像も踏まえながら、具体的な姿を検討し、関係者との合意形成を進めていきます。
もちろん、そのための会議や調整も必要です。
こうしたことを専業で担当してみると、組織横断の改革にはかなりの時間と労力が必要だと実感します。
⑤ ここまで経験して、今考えていること
ここまで、組織内の改革や、複数の組織にまたがる改革を経験してきました。
組織横断になると、関係者や調整事項が増え、改革そのものに多くの時間と労力が必要になります。
さらに、それを普段担当している仕事と兼任すると、その負荷は大きくなります。
一方で、各組織の業務を支える人たちの協力は欠かせません。
だからこそ、組織横断の業務改革では、各組織の協力を得ながら、全体を見て改革を前に進める専任の役割が必要なのではないかと考えています。
これが、組織横断の業務改革を実際に経験してきた私が、今のところ考えている答えです。
